hpa1013’s diary

読書メモとか、思ったことを何となく書いていきたいと思います。なるべく毎日更新したいです。

「階級・階層と社会移動」『社会学の力』

先日より『社会学の力』を少し読んでいます。2~4ぺージ程度で1つのトピックが扱われるため、適当に読んでいます。今回は、「階級・階層と社会移動」を読みました。

おおむね読む前に持っていた理解に近かった気はしますが、日本と欧米の社会状況との違いが意識されており分かりやすく感じました。日本の階層研究について、国際比較・歴史的変化の観点から、全体的に1つのストーリーとしてまとまった記述になっている点が優れているのかなと感じました。

  • 階級は、ヨーロッパの近代産業社会のなかでの社会集団で、日常的に人びとが使う概念
  • 階層は、明瞭に対応する社会集団をもたない連続的な地位で、もともとは研究者側の専門用語。
  • 日本だと多くの人にとって自明な集団間の軋轢(欧米だとエスニシティや宗教)はなかったため、社会変動の進行とともに論点が変わりやすい。戦後の階級社会→中間層を軸とした階層社会→流動化した格差社会
  • 階層研究の主たる論点は、「出自によって人生に不平等が生じない社会をめざすこと」。研究の知見としては、既存構造の継続 or ごく緩やかな平等化とされることが多く、それを維持するものとしての学歴が分析の焦点の1つとなる。
  • 産業社会のなかでの自分の立ち位置の認識が焦点だったことを踏まえると、主観的な階層意識も論点となる。

【パワポ】グループ化

最近、パワーポイントのショートカットキーをあまり使えていないことに気づいたので勉強中です。オフィスソフトの中でもワード、エクセルのショートカットキーの話はよく聞きますが、それと比べるとパワーポイントの話はあまり聞かない気がします。

今回は、グループ化のショートカットキーです。グループ化は、複数のオブジェクトをまとめることでレイアウトが崩れないようにするときに便利です。スライドの再利用をする際なんかにも、設定しておくと便利かなという気がします。

グループかは、グループ化したいオブジェクトを選択した状態で

Ctrl + G

で、グループ化解除は

Ctrl +Shift +G

で可能です。これまで右クリックや上部のタブから行っていましたが、だいぶ簡潔で便利です。

【覚え書き】実証研究と理論

1年半くらい更新が滞っていましたが、ひさびさに記事を書いてみました。

社会科学の実証研究で、理論をどう位置付けるか、あるいはどのような理論的な背景のもとで分析を行うかみたいなところについて考えてみました。基本的な問題意識としては、①教科書的に出てくる、理論と実証の往還みたいな話や、人の論文を読むと理論的貢献が物足りないと思ったりするくせに、いざ自分が何か考えようとするとどういう手順で考えればよいのかは分からない…という状況が続いていた。②理論的貢献の仕方について、How To的なかたちで習ったことがない。という2つが自分のなかでずっと考えている点としてありました。

自分で考えるうえでヒントになりそうな文章をみつけたので、それにもとづいて考えたことを整理したいと思います。

読んだ本は、『社会学の力』の第1部6「概念構成と命題構成」です。

 

分かりやすかったのは、まず理論構築において概念構成と命題構成の2つを分ける点です。概念構成は、

対象を明確にとらえた概念を作り出すことであり、多くの場合、日常用語に学術的意味を付加することによってその専門分野の重要な概念にすること

 とされています。これが社会科学において重要な理由として、自然現象との対比から、社会現象を一義的に定義することが難しいこと、新しい社会現象を捉える必要があることが挙げられています。

理由については、わかるようなそうでもないようなといった感じですが、私なりの理解では、対象がより日常的なものであるがゆえに、誰であれその社会現象に対して何か考えることができるので、その社会現象のどの部分に焦点を当てるか、どのように焦点を当てるか、がより重要であるということかなと思います。

そして、命題構成は概念間の関連についての定式化であるとされています。

以上のような捉え方だと、次のような手順で理論について整理することができるのではないかと思います。①実際に観察される現象がどのような概念でまとめることができるか、観察されるさまざまな現象のどれをひとまとまりの概念として考えるか、といったことを整理したうえで、②その概念間にどんな関係がある/ないを考えるという手順を踏めば、ひとまずそれは理論的な検討を行ったことになるといえそうです。そこで考えたことが、理論的に的確かどうかは別としてファーストステップとしては十分かなという気がしています。

 

 

 

【読書メモ】「デモ」とは何か

 

「デモ」とは何か 変貌する直接民主主義 (NHKブックス)

「デモ」とは何か 変貌する直接民主主義 (NHKブックス)

  • 作者:五野井 郁夫
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

序章 デモとは何か-クラウド化する社会運動

  • p.9: 一時的自主管理空間 TAZ (Temporary Autonomous Zone)。「既存の公的権力の影響が薄まるか無効化しつつも別の秩序によって非暴力と平和が維持される空間」。
  • p.15: 社会運動のクラウド化。ポスト「新しい社会運動」。効果として、「ウェブを介して容易に情報にアクセス可能になることで、小規模のコストと手間で情報を共時的にシェアし並列化でき、象徴的なインフォメーション・センター以外に、特定の本部や拠点を必要としない。」
  • p.17: 旧来の「社会運動」は階級ベース→「新しい社会運動」はクラスター毎にまとまりがち→特定の場と組織を固定化したリアルな実体に頼らない。

第1章 沸騰する民主主義の現在地-オキュパイ・ウォールストリートを行く

第2章 政治の季節のデモ-大正デモクラシーから1970年代まで

第3章 デモなき消費社会の到来-生活のなかの政治と1980年代

第4章 祝祭としてのデモ-変容する社会運動の1990年代から現在まで

終章 直接民主主義の変貌とわたしたちの政治-311以後のデモの姿

今後書きたいことメモ

  • エクセルである値があれば、~、そうでなければ…とかいう処理をする方法
  • 自分が使っているブラウザ、ソフトなどのショートカットキーを調べて、便利そうなものをまとめる
  • データのハーモナイゼーション
  • データの突合、不一致個所をうまく返す方法。

【読書メモ】なぜあなたの研究は進まないのか?

 

なぜあなたの研究は進まないのか?

なぜあなたの研究は進まないのか?

 

 

 『なぜあなたは論文が書けないのか?』と同じ著者が、もう少し研究全体とそれにかんする心構えや健康管理まで含めて、書いたものです。基本的なコンセプトなどは共通しているので、あわせて読むとよいと思います。同じ著者によって共通のコンセプトで書かれているので内容の重複もないわけではありませんが、独立して読んでも分かるような配慮からそうなっているという感じで、気になるようなものではありませんでした。

 今の自分にとって重要と思える箇所を中心に章構成とともにまとめましたが、立場・状況・気分が変われば重要と思える箇所も変わりそうなので、また読んでみたいと思える本でした。

 

はじめに
プロローグ
Q1 何のために研究しているか、明確な答えがあるか?
Q2 承認欲求が研究の第一のモチベーションになっていないか?
Q3 避けられない評価と競争をどう考えたらいいのだろうか?
CHAPTER1 研究テーマを決める:なぜ、何をやるのか熟慮する
Q4 目の前の疑問やテーマにすぐに飛びついていないか?
  • 重要なテーマを扱うことが大事。重要なテーマは、本質的・普遍・成果が広く応用可能。チェックリストとして、「○その疑問に答えることが、分野の重要な進歩につながるか/○分野の進歩につながるとすれば、どういう形か/○その成果はどのような応用が利くか」
Q5 遠くの景色を見ているか?
  • 研究のための研究でなく、研究の成果がどう次につながるかという長期的な視点(夢、希望、big picture)を本気で考える。
Q9 「仮説」と「結果の予想」の違いが答えられるか?
  • 「結果の予想」は、こうやったらこういう結果がでるんじゃないか、というただの予想。「仮説」は、「そのように仮定すれば現象がうまく説明できるようなもの」。
 
CHAPTER2 研究をスタートさせる:効果的な研究のための指針
Q11 研究分野について総説・レビューを書けるか?
  • 総説・レビューにまとめる方法。①できるだけ網羅的なキーワード検索、②論文を読む中で漏れていた重要論文を拾う、③読んだ論文をサブカテゴリに分ける、④サブカテゴリを1~3パラグラフにまとめる、⑤並行してプレゼンテーションを作成する
 
CHAPTER3 困難を突破する――コンセプト編:悩み多き研究生活を生き抜くために
Q19 研究で困難に直面し、辛い思いをするのは無駄ではないと知っているか?
  • 辛い経験は、かならず自分にポジティブに作用する、指導的立場になったときに役立つ
Q20 殻に閉じこもっていないか?
  • 聞く耳を持つことと、最後は自分が決めるという信念を持つことを同時に満たすようにすることが大事。
Q26 感謝しているか?
  • 研究ができる状況は恵まれているのだから感謝する、感謝すれば心に余裕ができ、ポジティブに働く。
 
CHAPTER4 困難を突破する――実践編:何とかゴールにたどりつくためのコツ
Q28 今やっている研究の意義と仮説を1分で説明できるか?
  • 研究で行き詰ったと思ったら、その研究の意義と仮説・目的に立ち返る。抱えている問題の全体での位置がわかる。
Q35 To doリストに優先順位を付けているか?
  • 「今自分ができることをリストアップし、それに優先順位を付けて、目の前のことに集中して常に一歩前に進む」
 
CHAPTER5 研究を動かす・指導する:さらなる高みを目指すリーダーシップ
 
あとがき
 
 

【読書メモ】なぜあなたは論文が書けないのか?

 

なぜあなたは論文が書けないのか?

なぜあなたは論文が書けないのか?

 

 論文を書くことにかんして、執筆習慣とそれを踏まえつつ、論文の各パートで何を書くべきか、といった水準もカバーしている本として読みました。本の概要は以下のようなものでした。 

 論文を書くことにかんする、Q1からQ40までの問いかけに対して、MESSAGEとして改善の方針などが示されるというのが全体の形式、プロローグに加えた4章構成で話が進んでいきます。プロローグで、まず論文に書くことが自分にとってどのような意味があるか、真に重要かを考えさせ、問題点を具体的に考えるという本書の方針が示されます。1章「あなたが論文を書けないのには理由がある」では、論文作成を作業としてとらえ、small stepに分解することと、生活の中にそのsmall stepをこなす作業を組み込む方法にかんしてヒントが示されています。2章「すべての物事は2度作られる」では、論文作成に必要な準備段階についての説明、3章「なんとなく書いていないか?」では、実際の論文作成のすすめ方を論文のパートごとに解説、4章「書いただけで終わっていないか?」は、論文を書き終えてからpublicationにつなげるまでを説明しています。
 基本的には、2章から3章にかけての内容が執筆作業を進めるうえで役立ちそうに感じました。論文の各パートに何を書くべきか、頭ではわかっているつもりでも、自分で書くときには守れていないこともある気がしたので、執筆の順番も念頭に置きつつ整理してくれているのは役立ちそうです。
 それとは別に役立ちそうな点としては、Q9の緊急度にかんする話でしょうか。緊急度が高い論文以外の仕事から手をつけて、結局論文にかんすることが何もできていないことが多いので、順番を論文優先にしてその日のスケジュールを立てるというのは参考になりそうです。
 以下は、章構成と、とくに参考にしようと思ったところを章構成に沿ってまとめたメモです。
 
はじめに
プロローグ
CHAPTER1 あなたが論文を書けないのには理由がある:執筆スタイルから取り組む論文作成術
Q9 論文作成はあなたにとって「差し迫った」問題か?
  • どうしても緊急度が高いこと(例示されているは、学会費の納入)から手をつけてしまうので、論文作成の緊急度を高いものと位置付けることと、それをはじめにやったうえで、その後にほかの緊急度が高い作業を入れることにする、といった方針が示される。
Q14 英文を書くことに意識過剰になっていないか?
  • 緊急性が低いのでちゃんと読んではいないが、英語での執筆において参照すべきことが多く書かれている。3章でも英語での執筆が前提とされているので、今後参照したい。
CHAPTER2 すべての物事は2度作られる:いよいよ論文執筆?その前にやっておくべきこと=第一の創造
Q17 ストーリーは描かれているか?
  • 論文を書き始めるまえに、Figureの紙芝居を作成して、ストーリーの完成に必要なことを計画する
Q19 論文のテーマに関連した文献を30以上集めて目を通したか?
  • 文献を集める・読むことの重要性は分かっていたが、具体的な数字で示されているのは分かりやすい。分野が違うので30が適量かは分からないが、とりあえず目安にしたい。
Q20 モデルとなる論文が3本程度見つかったか?
  • ①テーマが類似、②手法が似ている、③そこそこ以上のJournalに掲載されたモデル論文を3つ探して、表現・構成の参考にする。
 
CHAPTER3 なんとなく書いていないか?:メリハリをつけるパート別論文執筆のコツ
Q22 まずはここから:論文の結論を1~2行で簡潔に書ききれるか?
  • 論文の結論を1~2行(日本語だとたぶん、100~150字でよさそう)で書くところからはじめる。
Q23 Introduction1 明確な研究の「目的」または「仮説」を書いているか?
  • 仮説検証型の方がきれいに見えることが多かったり、憧れのようなものもあるので仮説を用意するかどうかは迷うことが多いが、現象のメカニズムを説明する場合は仮説を書き、そうでない場合は目的を書くことにする。
Q24 Introduction2 知識のギャップを中心にした3段論法を展開できているか?
  • ①今まで明らかになっていること、②まだ明らかになっていないこと(解決すべき疑問)、③あなたが何をどうやって明らかにしたか、という構成。
Q25 Introduction3 味付けはサラッとしているか?
  • Q24のもっともシンプルなものに付け加えるのは、①では、一般的なことから研究テーマを絞り込むような書き方、②では、rationaleの部分として、何が明らかになっていないか・解決すべき疑問は何か・なぜこの疑問を解決する必要があるか、③では実際の手法を簡潔に書く。
Q26 Materials and Methods1 なぜ何を書くかを頭の中で整理できているか?
Q27 Materials and Methods2 Reviewer・読者にわかりやすく簡潔にまとまっているか?
  • ①過去形で淡々と、②冗長さを避ける、③より親切に、必要な説明を加える、④記載ルールを守る。
Q28 Result1 Figureの紙芝居で組み立てたストーリーに沿って書き進めているか?
Q29 Result2 建て前と本音を区別して読者を誘導できているか?
  • 結論に向かう結果を厳選して、解釈は最小限で淡々と書いたように見えるようにする
Q30 Result3 ResultとDiscussionの棲み分けができているか?
  • Discussionは、結果と結論の間のブリッジ。
Q31 Discussion1 なぜ論文にDiscussion1が必要かを理解しているか?
Q32 Discussion2 書き出しのパターンを押さえているか?
  • パターン1:①結論のポイントを述べる、②この結果が研究の仮説を支持すると述べる。パターン2:①研究の目的を言いなおす、②結果のポイントを述べる。パターン3:①研究の仮説を言いなおす、②結果のポイントを述べる。
Q33 Discussion3 ポイントとなる結果と過去の文献を使って結論を支持しているか?
  • 各段落には、A:Resultで示した結果のまとめ直し、B:過去の文献とその考察、C:AとBから導かれる知見の3つが含まれる。
Q34 Discussion4 研究の限界(limitation)を述べているか?
  • 2つのいずれか、あるいは両方。①限界はあるが、それでも研究は正当だ、②限界の克服のための将来の展望。
  • ・p.138:Discussionの書き方:まとめ。Discussionの出だしは、①目的・仮説の反復、②結果のまとめ直し、③結論を1段落で。中心部の各段落には、A:Resultで示した結果のまとめ直し、B:過去の文献とその考察、C:AとBから導かれる知見の3つが含まれる。最後から2番目で限界を述べる。最後に結論をまとめ直す。
Q35 すべてのパートが同じベクトルを持って書かれているか?
 
CHAPTER4 書いただけで終わっていないか?
あとがき