hpa1013’s diary

読書メモとか、思ったことを何となく書いていきたいと思います。なるべく毎日更新したいです。

【読書メモ】できる研究者の論文生産術

 

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

 

 

 一度読んだことがあったのですが、あらためて読みなおしました。ちなみに前に読んだときも購入したのですが、(たぶん)置いていたはずの共有スペースから本がなくなったので、再度購入しました。

 全体としては、論文を書く際の心構えやそれを具体的な行動に落とし込む方法が説明されている本ということになると思います。心理学者が書いていることもあり、心構えについては心理学の知見なども踏まえつつ書かれている点や、日本的な文系/理系の区分でいえば理系寄りの発想に近いのが特徴的なように思います。

 自分の状況について、いろいろと反省する点はありました。とくに、「時間がない」ではなくて、執筆時間を確保するために積極的に行動することをやっていこうと思います。

 ただし、最近にかんしては、過度に仕事をふられることも部分的にあるので、それを上手く他の人にまわしていきたいなと思います。問題は、このあたりを具体的に考えると、仕事を振るうえで信頼に値する人が周囲にいないとか、いうことも部分的にはあるということでしょうか。

 以下は、本の構成と、自分がとくに参考にしようと思った箇所のメモです。

 

まえがき
 
第1章 はじめに
1.1 執筆作業は難しい
1.2 いかにして身につけるか
1.3 本書のアプローチ
1.4 本書の構成
 
第2章 言い訳は禁物――書かないことを正当化しない
2.1 言い訳その1「書く時間がとれない」「まとまった時間さえとれれば、書けるのに」
  • p.15:「月曜から金曜までの朝8時から10時までを執筆にあてている。朝起きてコーヒーをいれ,机に向かう。気が散るのでメールをチェックしない。シャワーもなし,着替えもなし。ともかく,朝起きたらそのまま机に向かって書き始める。書き始める時刻や書き終える時刻は多少ずれるかもしれないが,ともかく,平日の朝2時間くらいは書く。僕は朝型ではない。でも,朝の時間帯の作業というのは,執筆向きだと思う。執筆作業をある程度すませておいてから,メールをチェックしたり,オフィスに立ちよる学生や同僚と会ったりできる。」
  • p.16:自分の執筆時間は,断固として死守せねばならない!
2.2 言い訳その2「もう少し分析しないと」「もう少し論文を読まないと」
2.3 言い訳その3「文章をたくさん書くなら、新しいコンピュータが必要だ」
2.4 言い訳その4「気分がのってくるのを待っている」「インスピレーションが湧いたときが一番よいものが書ける」
 
第3章 動機づけは大切――書こうという気持ちを持ち続ける
3.1 目標を設定する
  • p.35:「目標事項の列挙」:書く作業が必要になるプロジェクト(投稿論文の修正と再投稿,新たな原稿の執筆,頼まれて執筆した書籍の担当相の執筆,前年書き始めたままほったらかしになっている論文の復活,助成金の申請書書き,本の執筆…)を並べる
  • p.36:執筆日ごとに具体的な目標をリストアップする。
3.2 優先順位をつける
  • pp.38-41:優先順位は、①教員版:校正刷や入稿用原稿のチェック>締め切りのある事項>原稿を修正して再投稿>(査読・レビュー)>新たな原稿>その他の執筆。②院生版:締め切りのあるプロジェクト>博士課程で定められた文章の執筆>専門家としての出版/刊行>その他の執筆。
3.3 進行状況を監視する
3.4 スランプについ
 
第4章 励ましあうのも大事――書くためのサポートグループをつくろう
4.1 執筆サポートグループの誕生
 
第5章 文体について――最低限のアドバイス
5.1 悪文しか書けないわけ
5.2 よい単語を選ぶ
5.3 力強い文を書く
5.4 受動的な表現、弱々しい表現、冗長な表現は避ける
5.5 まずは書く、後で直す
 
第6章 学術論文を書く――原則を守れば必ず書け
6.1 研究論文を書くためのヒント
6.2 アウトラインの作成と執筆準備
6.3 タイトル(Title)とアブストラクト(要約、Abstract)
6.4 序論(イントロダクション、Introduction)
  • pp.102-3:序論は、①②③からなる。①論文全体の概観(1段落か2段落で)。研究のきっかけとなる一般的な問題、疑問、理論を書く。目的は、研究を行うことの正当性を提示して、論文の枠組みを提示することで論文を読みやすくする。②が序論の本体。この部分を紹介する見出しがあって、関連した理論の説明、過去の研究レビュー、研究のきっかけになる疑問についてより詳細に論じる。③調査・分析が②までの疑問にどのように答えるのかを説明する。
6.5 方法(Methods)
6.6 結果(Results)
6.7 考察(Discussion)
6.8 総合考察(General Discussion)
6.9 引用文献(References)
6.10 原稿を投稿する
6.11 査読結果を理解し、再投稿する
6.12 「でも、リジェクトされたらどうすればよいですか?」
6.13 「でも、何もかも変えろと言われたらどうすればよいのですか?」
6.14 共著論文を書く
6.15 レビュー論文を書く
  • pp.126-:レビュー論文を書く――自分もアイディア=独自な観点がある題材について書くこと。羅列型にしないこと。
 
第7章 本を書く――知っておきたいこと
7.1 なぜ本を書くのか
7.2 簡単なステップ2つと大変なステップ1つで本を書く
7.3 出版社を見つける
7.4 細かい作業もたくさん発生する
 
第8章 おわりに――「まだ書かれていない素敵なことがら」
8.1 スケジュールを立てる楽しみ
8.2 望みは控えめに、こなす量は多めに
8.3 執筆は競争ではない
8.4 人生を楽しもう
8.5 おわりに